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Mirage et trois (Eric Jones)

今日は、弟夫婦のところに新年の挨拶(遅っ!)に行ってきました。実は私の弟もマジックが趣味で、色々マジック談義もできました。

で、弟から数本DVDを借りてきました。私はまず買わない、「アッシャーツイスト」「パスウィズケアー」「オンザパス」などの、技法系のDVDです。我が弟ながら、ようやるわ(笑)。

では今回のDVD紹介。私にしては珍しく、今風の?コインマジックDVD。エリック・ジョーンズの「Mirage et trois」。エリック・ジョーンズは、上手い人にありがちな、嫌味な感じがなくていいですね。

Mirage et trois (Eric Jones)

1. Out with three
現象/三枚のコインを取り出してみせるが、取り出したと思ったら反対の手のコインが一枚消えていたりする。

なかなか面白いコインのプロダクション。エクストラコインを使いませんから、非常に実用的だと思います。三枚目が出たと思ったら、反対の手のコインが消えたり、思い通りにならない現象は、見ていても楽しめます。

コインマジックって、技法が現象に直結しますから、技法に凝ってマニアックになればなるほど、見ていてちょっと疲れてくるのですが、こういうアプローチだと疲れずに楽しめますね。「片手に一枚現れたと思ったら、反対側の手のコインが一枚消えている」というのは、言ってみれば(私が好きではない)「3 fly」そのものなのですが、「3 fly」は見ていてなんだか疲れるのに対し、こういう「マジシャンが予想外の現象に戸惑う」という見せ方だと、かなり印象が違います。

またエリック・ジョーンズの飄々とした演じ方も、プラスに働いている気がします。所作が自然ですし、何より「見せつける」感じが薄いんですよね。

技法は、難しいものは使っていないのですが、ラムゼイサトルティやカップスサトルティの使い方が上手く、無理なく現象を起こしている辺りはさすがです。細かいところまで、非常によく考えられた手順です。これを、流れるように演じるには、かなりの練習が必要でしょうが、解説も、手元からの映像もあるので分かりやすいと思います。

ただ、コインを擦る箇所が結構多く、音に注意が必要なため、私がこれをやるかと言われると、やらない気がするのですが(汗)。

2. S.V.C.A
現象/両手の指先に持った三枚のコインが、反対の手に移動する。

スリーフライのバリエーションです。やはり結構コインを擦るので、演じる場面は選びそうな気がします。コインロールからのシャトルパスというのは新しいですし、錯覚もかなり強まりますね。私はいつも指輪をしているので、コインロールは難しいのですが、ここは普通のシャトルパスでもいいでしょう。

また、フレンチポップという技法を使っています。大胆な技法で、タイミングと角度に注意が必要ですが、スリーフライのような手順には、非常に使える良い技法です。あるいは、ワンコインルーティーンにも取り入れられるかもしれません。

以前にも書いたように、私はスリーフライというプロット自体があまり好きではないので、演じようとは思わないのですが、よく練られた素晴らしい手順だと思います。

3. KKK
現象/三枚のコインが一枚ずつ消えていく。

これもコインを擦りますが、三つの手順の中では、一番やりやすいかも知れません。コインを反対側の手で取る時、多少音がするのは不自然ではありませんからね。

ただ、二枚目の消失まではともかく、三枚目の消失は難しい上に(一枚しかないのにコインを擦る音がするのは変ですから)、これも薬指に指輪をしていたら困難です。コインマジックをする時は結婚指輪は外せ、という事でしょう(笑)。

この三枚目の消失で用いるジェフ・ラタの「ノーウェアパーム」という技法は初めて知りました。ノーウェアパームを用いたコインバニッシュは、手の両側を見せられる、説得力のある消失法です。難しいのですが、コインが好きな人なら、色々と研究してみたくなる技法だと思います。


以上、わずか三手順ですが、どの手順も相手の視線のコントロールまでよく考えられており、感心させられます。動画ではなく、実際に人に演じるかと言われると、私はクラシカルな、普通のコインズアクロスでいいような気もしますが、コインマンの方ならば、色々と触発されるでしょう。

このDVDは、エリック・ジョーンズの「An extension of me」とセットで五千円くらいという、お買い得価格で販売されていますから、お持ちでない方は、なくならないうちに入手してみてはいかがでしょうか。レパートリーになるかどうかはともかく、刺激を受けるDVDだと思います。 

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