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Diamond cut diamond (Alex Elmsley)

私は基本的に、妻にマジックを演じて見せる事はあまりないのですが、先日珍しく1つ演じて見せたところ、意外と好評でしたので、記事にしてみます。トリック紹介はかなり久々ですね。

■Diamond cut diamond (Alex Elmsley)
現象/あらかじめAから10までの10枚のダイヤのカードを抜き出しておく。1枚のカードを選ばせてデックに戻す。10枚のダイヤを順番に表向きにテーブルに置いていくが、相手が選んだ1枚だけ裏向きに置く。その裏向きのカードが、選ばれたカードになっている。

エルムズレイの「ダイヤモンドカットダイヤモンド」。日本語にすれば「切磋琢磨」という感じの意味でしょうか。このトリック、以前は時々演じていたのですが、なんだか複雑な気がして、最近では全くやらなくなっていました。ところが、ふと妻に見せてみたところ、「シンプルだし、マジックらしくていいね」と言われて、ちょっと意外に感じました。

言ってみれば、カードアットエニーナンバー系のカード当てですが、「表向きに配る」というのが新しい点です。それを可能にしているのが、セカンドディールという技法。セカンドディールは、難しいと思われているのか、使う人をあまり見ません。

が、このエルムズレイの作品は、結構ずぼらなセカンドディールでも十分通用します。それは、「手元のデック(カードをディールする手つき)ではなく、テーブルに置かれるカードに注目が集まるような構成になっている」からです。

これが、ギャンブリングデモンストレーションであれば、手元に注目させてセカンドディールをやるわけですから、非常に完璧に出来ないと駄目でしょう。そんな完璧なセカンドディールは、私も全く自信がありません。

ところが、このトリックの場合は、Aから10までのダイヤのカードを確認し、すぐにテーブルに置いていくという手順ですから、手元のカードがAから10である事は明白な上、相手に好きなダイヤのカードを選ばせるという名目もあって、自然とデックではなく配られるカードに注目が集まるようになっています。エルムズレイの手順構成は、さすがです。

このトリックは、演じ方によっては入れ替わりにも出来ますし(デックのトップが、相手の指定したダイヤのカードですからね)、変化現象としても演じられます。私も以前は、入れ替わり現象として演じることもありましたが、今ではシンプルに「貴方が指定したダイヤのカードが、選んだカードを見つけてくれます」と、シンプルな見せ方をするようになっています。

入れ替わりの場合は、「ダイヤのカードがデックに移動し、また戻ります。でも、ダイヤが行って帰ったのでは、手品としてはあまりありがたくないですね。ご安心を。ダイヤはちゃんと移動しています(デックのトップを見せる)。という事はこちらは?(裏向きのカードを見せる」というような事をしていましたが、なんだかごてごてしているような気がして、この見せ方はやめてしまいました。

それよりは、おまじないをかけたら、相手が指定したダイヤのカードが選ばれたカードになった、という方が、シンプルで分かりやすいかなと思ったのです。選ばれたカードを、カラーチェンジの手法で元のダイヤのカードに戻すことも可能でしょうが、それも私には蛇足に思えます。レッドホットママ(シカゴオープナー)で、裏色が変化したカードを、最初のカードに戻すような、「クライマックスの後の余計な一手間」感を感じさせます。

ですから、「じゃあ指定したダイヤのカードはどこに行ったの?」と言われたら? それはその時考えましょう(笑)。まああまりそんな事を言われる事もないと思いますが……。

セカンドディールがどうも苦手で、という方には、エルムズレイのこの手順を練習してみる事を、是非お勧めします。パームと同様、セカンドディールは、演じてみて無事通用した、という経験が何より大事だと思います。その点このトリックは、連続してセカンドディールをしなければならないですが、上に書いたように、配る時の手元には注目が集まりにくい構成になっていますから、心配はありませんし、この手順に慣れれば、間違いなくセカンドディールに対する自信が生まれます。

ただのカード当てにしてはちょっと複雑とも言えますが、私の妻が「シンプルで手品らしい」と評したように、当て方自体は決して複雑でも何でもありません。流れるように演じれば、きっと効果的なはずです。 

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映像か書籍か

最近、「カードカレッジライター」「カードカレッジ5」「ジョン・バノン カードトリック(High caliber)」など、高額なマジック書籍が立て続けに発売されましたね。どれもそれなりに高いので、なかなか買えません。独身の頃なら、一気に全部買ってしまえましたが、今では1冊ですら妻のお許しが出そうにありません(笑)。

まあ、私の好みからすると「カードカレッジライター」を入手しておこうかな、とは思っています。

さて、今回のテーマは、「マジックは映像(動画)で覚えるべきか、それとも書籍で覚えるべきか」です。このような問いに、画一的な答えなど出せるはずもないのですが、この問題は各所でいつも議論になっているような気がします。

あくまで私の見解ですので、話半分で聴いていただきたいのですが、私は、極めて大雑把に一言で言えば「技法は映像で。手順は書籍で」だと思っています。

もちろん「あえて一言で言えば」ですから、技法を書籍で覚えた場合がいい場合も多々あるでしょうし、逆に手順を映像で覚えた方がいい場合もあるのは、間違いありません。が、大筋においては上のように思っています。

技法を覚える場合、一番早道なのは「正しいやり方を、ちゃんとできる人に見せてもらう事」です。これに勝る方法はありません。例えば、楽器の演奏を教わるには、ちゃんとした先生に見せてもらい、自分のやり方を見てもらい、どこが良くないのか修正してもらわねば、楽器など演奏できるようになるはずはありません。

もちろん、書店に行けば楽器の初心者のための本はたくさんありますが、それらはあくまで、教師について習い、その補足として使うものです(例外もないではありませんが)。私も長年楽器をやっていましたが、本だけで楽器ができるようになった人など、見たことがありません。

マジックとて同じで、繊細な動作や、文章では表せないコツなどたくさんあります。書籍だけで技法を覚えるのには、どう考えても無理があります。私自身も、トライアンフシャッフルなど、本で見ただけでは全くやり方がわからず、人に見せてもらって初めて「ああ、こうやればいいのか」と納得しました。カードのパームについても同じで、本で読んだだけで完全にできるようになる人は、なかなかないと思います。

なので、技法はやはりちゃんとできる上級者に見せてもらって、どこが悪いのかを指摘してもらいながら覚えるのが一番です。それができる環境は限られていますから、次善の策として良いビデオ(DVD)を観るのもいいでしょう(間違っても、Youtubeで変なやり方を覚えない事です。最初に変なやり方を覚えると、癖を直すのが大変です)。

では手順はどうなのか。こちらについては、私はなるべく書籍で覚える方がいいと思います。って、DVDをあれこれ買っていながら説得力無い気もしますが(笑)。

これもまた楽器にたとえますが、1曲を仕上げようとするのに、有名ピアニストのCDを聞いて、それを真似したらどうでしょう。もちろん、曲が仕上がっていないうちに、ある程度参考にするのならありだと思います。が、ある程度仕上がったら、やはり「自分ならここはこう表現したい」などと考えながら、自分なりの演奏を作っていくべきです。

そうでないと、ただのコピーになってしまいます(有名ピアニストの演奏を完全コピーできれば、それはそれで凄いですが)。楽器を人前で演奏しようとするなら、最後は、CDを聞いて「耳で覚える」のではなく、やはり自分で楽譜を読んで自分なりの演奏を作らねばならないのです。

マジックも同じようなものだと思います。手順を見て、間や台詞回しを研究し、自分なりに何度も練習していると、自分なりの味が出来てくるはずです。また、書籍だと「あの手順どうだったかな」と言う時、気軽に確認できると言うメリットもありますね。

しかし、手順を書籍で覚える場合、映像よりも明らかに劣る点が1つあります。それは「現象を目で見て、その驚きを体験する事が出来ない」事です。曲を楽譜だけで見たのでは、なかなかその曲の良さは伝わってきません(楽譜だけで曲を間違いなく理解できる天才も、中にはいるでしょうが)。

音楽の感動が、耳からでないと伝わってこないのと同様、マジックの面白さ、不思議さはやはり映像からでないと伝わってこないものです。そう言う意味で、DVDも上手に利用すれば、マジックの現象に対する理解がより深まるはずです。

そう言う意味で、私は映像でマジックを覚える場合は、「鑑賞して面白い」ものでないと駄目だと思っています(なので、手元だけで台詞なし、みたいなYoutubeの映像だけで「解析完了」というような覚え方をする人もいますが、これでは自分の演技をどんどん自分でつまらなくしているも同然です。データ通りに音を鳴らしているだけのMIDI演奏を聞いて、面白い演奏ができるようになるはずはありませんよね?)。

技法を覚えるなら、上手い人の間違いない映像で覚えましょう。手順は、「面白い演技をするマジシャンの演技」で見てから、文章で覚える。これがベストなのでは無いかと思っています。 

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Easy to master card miracles vol.7 (Michael Ammar)

今日の札幌はとても暖かったので、買い物がてら散歩に行きました。合計1時間くらい歩きました。私が住んでいるのは、札幌でも割と外れの方なので、ちょっと歩くと比較的緑が豊かな場所に行けます。

私が以前住んでいたのは、春になると、朝仕事に出る時に自宅のドアを開けると、うぐいすのさえずりが聞こえ、夏に仕事を終えて帰ってくると、ひぐらしの鳴く声が聞こえるくらい、大変環境が良い場所だったので、やはり都会すぎる場所は肌に合いません。適度に緑もある今の街は、割と気に入っています。

では、今日のDVDレビュー。アマーの「Card miracles」7回目です。このシリーズ、スクリプトマヌーヴァでこの巻までは日本語字幕がついたのですが、残り2巻はついに翻訳されませんでしたね。スクリプトマヌーヴァのDVDを見ていると、「これ、売れなかったんだろうな」というのが分かって、なかなか興味深いです。

アマーの「Card miracles」はそれでも7巻まで出たからいいですが、ダローの「Encyclopedia of card slights」なんて、2巻しか出てませんし(笑)。では行ってみましょう。

Easy to master card miracles vol.7 (Michael Ammar)

1. 2 shuffles Harry (Harry Lorayne / Brother John Hamman)
現象/2枚のカードを選ばせた後、デックを表裏ばらばらに混ぜるが、おまじないをかけ、デックを2つのパケットに分け、それぞれのパケットをスプレッドすると、2枚のカードを除いてカードが全て裏向きになっている。表向きの2枚は、もちろん選ばれたカードである。更に、スプレッドされた2つのパケットを表向きにすると、一方は全て赤いカード、他方は全て黒いカードである。

トライアンフにもう一捻りしたものです。もちろんヴァーノンの原案とは方法が違います。使うのはザロウシャッフルですが、アマーほどの名人の演技でも、やはりトライアンフにザロウシャッフルは合わないなと、改めて感じさせられました。

また、ラストにはもう一つ現象が加わっていますが、個人的にトライアンフに現象を増やすのは感心しません。トライアンフは「ばらばらだった表裏が揃う」「その中で1枚だけ向きが違うのが相手のカードである」と、そもそも二重現象です。そこに更に現象を加えるのは、蛇足以外の何物でもないように感じます。

24 seven vol.2」の「Color opener」は、トライアンフ+カラーチェンジングデックでしたが、そちらは「表裏をもとに戻したら、魔法が強すぎて裏の色まで変わりました」とでも言えば、まだ表現したいところが分かります。しかし、フェイスの赤黒が分かれたのでは、一体何を表現したいのかよく分かりません。やたら現象を足せばいいと言うものではないでしょう。

そういう訳で、私が演じるなら原案です。このトリックは、ちょっと演じてみたいとは思いません。

2. Perfect stop trick (Edward Marlo)
現象/1枚のカードを選ばせ、デックに戻す。好きな数を言ってもらい、トップからその数の枚数だけカードを配る。その枚数目のカードの数だけ、またカードを配る。それを繰り返すと、相手のカードが出てくる。

事典や、「奇術入門シリーズ トランプマジック」にも載っている「Deal away」です。本当にマーローが考えたのかと疑わしくなるようなセルフワーキングトリックです(笑)。もちろんセットは必要ですが、セルフワーキングカード当ての傑作だと思います。

このDVDで解説されている方法では、途中まではカードの数値の枚数目の次のカードを開き、最後には配った枚数の最後のカードを開いています。手順にちょっと統一感がない気がしますが、気にするほどではないかも知れません(別に、全部配った枚数目に統一しても、問題はないと思います)。

「トランプマジック」に載っているのは氣賀さんによる改案で、そちらはセットに一工夫する事で、最後にデックを表向きにスプレッドしてもトリックに気付かれないようになっています(原案だと、表向きにスプレッドはできない)。これは大変優れたアイディアですので、このトリックが気に入った方は、ぜひそちらも見てください。私も、氣賀さんの方法を使っています。

3. The Smith myth (Fred Smith)
現象/2枚のカードを選ばせ、デックに戻してよくシャッフルする。デックを2つのパイルに分け、それぞれのパイルの山からカードを表向きに1枚ずつ開いていくと、2人の選んだカードが同時に現れる。

相手がカードを自由にシャッフルしてしまいますので、かなり不思議に見えます。ただレギュラーデックではできないので、この仕掛け(というほどのものでもないですが)を使う別のトリックにつなげるのがいいでしょうね。その仕掛けを使った方法も巧妙です。最低限の技法と仕掛けの組み合わせで、ほとんど怪しい事をせずに一致現象が起きてしまいます。

最低でも2人の相手がいないと演じられませんが、2人よりも大人数に見せるのに適したトリックだと思います。サロンで演じれば盛り上がるでしょう。ただ、2人のカードが2つのパイルから本当に同時に出たらどうするんでしょう……。

4. Mind reading chicken (Lamon Reams)
現象/選んだカードを卵を使って当てると言い、その卵を割ると、なんと選ばれたカードの名前が書いてある。

要はフォースしたカードを、意外な方法で当ててみせるだけで、高木重朗さんの「トランプの不思議」に載っている「灰は語る」と同様のトリックですが、ありえない場所からカードの名前が現れます。こんな方法で当てるとは誰も思わないでしょうから、インパクトは絶大だと思います。まあ、アマチュアが気軽に演じられるようなものではありませんが……。

なお、フォースはホフジンザーの方法です。このフォースは、フェアに見えて確実なので、私も愛用しています。アマーはこういう、カードだけでなく、小道具を上手く使ったトリックは、本当に上手いですね。

5. Always cut cards (Larry Jennings)
現象/演者と観客で、4枚のAを公明正大にデックの中に混ぜ込むが、一瞬で4枚のAがトップから現れる。

シンプルなだけに強烈なトリックです。観客が本当に自由にカットしてAを混ぜますから、非常にフェアに見えます。方法も実に簡単。楽にできて非常にはっきりとした効果のある良いトリックですから、覚えておいて損はありません。

ジェニングスって、技法を無理に使いまくった作品を多数発表する一方で、こういう楽にできて素晴らしい効果のあるトリックや、頭のいい手順のセルフワーキングも数多く作っていますよね。クリエイターとしては、ジェニングスってかなり好きなマジシャンの一人かも知れません。

6. 6 card royal (Doug Edwatds)
現象/1枚のカードを選ばせる。3枚のカードをトップから取るが、数えるとなぜか4枚ある。1枚捨てて数えるとまた4枚である。それを繰り返すが、最後には3枚のはずが1枚になっており、それが選ばれたカードである。テーブル上の5枚のカードは、ロイヤルストレートフラッシュになっている。

カウント系トリックにカード当ての要素を入れた手順です。最後ロイヤルストレートフラッシュが現れるのが若干唐突な気がしなくもありませんが(最初に3枚のカードの表を見せる訳でもないし)、ポーカーを日常的に遊ぶ欧米の人だと、ロイヤルストレートフラッシュの5枚というのは、特別な組み合わせなのでしょうね。

技法としては、ほぼエルムズレイカウントだけでシンプルです。演じるなら、コミカルな味付けで演じてみたいところです。

7. Future deck (Jack Fosberg)
現象/あらかじめ予言を書いたカードをカードケースに入れておく。相手に1枚カードを選ばせ、そのカードもケースに入れる。ケースから2枚のカードを出すと、カードに書かれた予言と選ばれたカードが一致している。

入門事典にも載っています。素晴らしい逆転の発想で、知らない人だとかなりのマニアでも騙されてしまうと思います。私も初めて知った時は、「何という天才的な思いつき!」と膝を叩きました。こういうトリックを知って、「素晴らしい!」と思うか、「くだらない」と思うかが、マジックファンと一般の人の違いだと思います(笑)。

結構大変な準備が必要ですが(準備というより、このトリック専用のデックを用意しておく必要がある)、非常に強い現象ですので、準備しておく価値があると思います。入門事典には、さらりとこういう強烈なトリックが載っていたりするので、下手な最新のDVDを買うくらいなら、入門事典を熟読しましょう。

8. Cards across (Michael Ammar)
現象/7枚のカードの中から、2枚のカードを覚えてもらう。7枚のカードを封筒に入れ、別の封筒にも7枚のカードを入れる。封筒にはしっかり封がされるが、最初の封筒から選ばれたカードが消えて5枚になっており、後の封筒から9枚のカードが出てくる。選ばれた2枚のカードが移動している。

カードアクロスですが、糊付けした2枚の封筒を使い、相手に選ばせてよく混ぜたパケットから移動しますから、かなり不思議に見えます。手順も大変賢く、「こういうやり方をするのか」と、解説を見て感心しました。一級の不可能現象です。まあ、カードアクロスならもっと楽な方法が色々あるので、私が演じるかと言われると「ここまではしないかな」という感じでもありますが。

なお、ここで解説してくれているフォールスカウントは大変有用です。ビドルムーブやハーマンカウントでも枚数を偽ることは出来ますが、「音」を上手く使ったこの方法は、是非覚えておくべきです。

9. $2,000 transpo
現象/財布の上下に2枚のカードを置くが、その2枚が入れ替わる。

シンプルな入れ替わりのトリックですが、レギュラーでは出来ません。「THe Smith myth」同様の準備が必要ですから、そちらに続けて演じるのもありでしょう。

ただ、準備が必要にしては現象がシンプルに過ぎる気がします。これなら「トランプの不思議」に入っているパームを使う手順の方が、準備要らずですっきりしている気がしなくもありません。まあ、準備が必要な分、余計な手順が要らずにクリーンに見せられると言えばその通りですから、そこは好みの問題かも知れませんが……。

10. Cheaters poker (Allan Wakeling / Jim Steinmeyer)
現象/Aと関係のない3枚のカードを、4枚の封筒にそれぞれ入れるが、演者の封筒に4枚のAが集まる。

現象としてはエースアセンブリーなのですが、ジム・スタインメイヤー(ナインカードプロブレムで有名な方ですね)により、「世界でも名うてのディーラーが4人集まって……」という演出が付けられたようです。

最初私は解説を見てもやり方がよく分からず(私の英語力に難がありすぎる)、最近見てようやく分かりました。ちょっと反則っぽい方法を使いますが、確かに頭のいいやり方です。

そして、特別な技法は何も使わず、巧妙な手順により移動現象を実現しています。ただその分、違う意味で簡単に演じられないトリックになってしまっていますが(汗)。通常のエースアセンブリーと比べてサロンでも演じられる、見栄えのするトリックだと思いますので、特別な機会にはやってみても面白いでしょう。

11. Color changing deck (Paul Curry)
現象/ジョーカーを1枚ポケットに入れておく。相手に1枚のカードを選ばせる。そしてデックにおまじないをかけると、1枚を除いて裏の色が変わっている。その1枚が選ばれたカードである。更にポケットのジョーカーの裏色も変化し、最後には選ばれたカードの裏色も変化してしまう。

vol.3で、ダイ・ヴァーノンのカラーチェンジングデックが解説されました。あちらはレギュラーでできましたが、こちらはギャフを1枚使うポール・カリーの手順。カリーらしいちょっと複雑なトリックです(笑)。ギャフカードが1枚必要な分、非常に説得力があり、現象もパワフルです。

だからヴァーノンの手順より優れているかというと、必ずしもそうとは言えないような(汗)。私が演じるならば、シンプルなヴァーノンの手順です。トリックとしては、レッドホットママを彷彿させるところもあります。最初にポケットにジョーカーを入れる部分は、ちゃんと何らかの理由づけをしたいところです。


以上11手順。この巻は、少々特別な準備が必要なトリックが多いようです。その分、クロースアップでなく、サロンでも演じられるようなトリックも結構あると思います。そういうトリックも、覚えておけば何かの折に役に立つものです。ただ、最近の流行りではないかも知れませんね。私は逆に、流行のトリックにあまりついていけないのですが(笑)。

でも、スクリプトマヌーヴァの日本語字幕版がこの巻で終わってしまったという事は、あまり売れなかったんでしょうね。それでも、何度も繰り返しますが、変な最新のDVDを買うくらいなら、これを買った方がよっぽどためになる事は保証します。6巻までを持っている方は、ぜひ9巻まで全部揃えましょう(笑)。 

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